エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)になりました

実は、この1ヶ月ほど入院していました。エコノミークラス症候群(正式には肺血栓塞栓症)になり、緊急入院していました。

エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群とは、正式には、肺血栓塞栓症、肺塞栓症という病気になります。簡単に言うと、血管の中で、血の塊(血栓)ができて、それが肺の血管内(肺動脈)で詰まってしまう病気になります。

肺動脈に血栓が詰まると、その先への血流が阻害されて、肺の機能であるガス交換ができなくなり全身が酸欠状態になります。

また、心臓からポンプのように血液を送り出す先が詰まりますので、心臓に負担がかかり、最悪の場合は心停止し、死亡するという怖い病気になります。

長時間同じ体勢でいることで、手足(主に足)の血管内(静脈)で血液の流れが滞って、そこで血栓ができるのが原因になります。

エコノミークラス症候群という名前は、飛行機の長時間フライトでずっと座ったままの人がこの病気を発症しやすいことから名付けられています。

特に飛行機の長時間フライトでは、機内が乾燥しているので体内の水分不足も相まって、血液が固まりやすくなるというのも原因になります。

特に、エコノミークラスのみ発症するわけでもなく、ビジネスクラスでも、また飛行機だけではなく、列車やバスでも長時間同じ体勢でいると発症しやすいことから、旅行者症候群とも呼ばれています。

また旅行者する人だけではなく、災害時の車中泊や長時間のデスクワーク、手術などの術後の患者などにも多く見られる病気なので、医療機関では、エコノミークラス症候群ではなく、肺血栓塞栓症だったり、その大元の原因である、深部静脈血栓症(DVT)と呼ぶことが多くなっています。

また、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は、一つのセットとして捉えられるので、静脈血栓塞栓症という名前で呼ぶようになっています。

エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の原因

この病気は、深部静脈血栓症によってできた血栓が血管内を流れて、肺動脈で詰まることにより起きます。

つまり、エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の原因は、深部静脈血栓症によって引き起こされるということになります。

もともと血液は、空気に触れると固まる性質があります。また、血管の損傷があると同じように空気に触れなくても固まります。

血管内の血液は、通常はさらさらと流れていますが、血液が流れなくなってとどまると血管内でも血が固まって血栓になります。

心臓から出ていく血管(動脈)を流れる血液は、直接心臓のポンプ作用によって勢いよく流れますので、簡単には流れが滞ることはありません。

逆に、体の末梢部から心臓に戻る血管(静脈)は流れが緩やかで、特に足の静脈は重力にも逆らっているので、流れが滞りやすいのですが、足のふくらはぎなどの筋肉の収縮の働きが補助的な役割を果たしています。

それがずっと同じ姿勢などでいると、足の筋肉のポンプ作用が働かなくなって、血が流れにくくなり、血栓ができやすくなります。

またその他に、外傷などで、血管に損傷を受けた方や、下肢の外科手術、妊娠でお腹や太ももの静脈が圧迫されて血流が悪くなった場合なども発症することがあると報告されています。

加齢によって、足の筋力が衰えた事によって発症しやすくなるとも言われており、別の病気で入院した高齢の方が合併症として発症することも多いそうです。

いずれにしても、深部静脈血栓症を発症して、その血栓ができた箇所から剥がれるなどして心臓に戻り、そこから肺動脈へ流れ着いて詰まるのが、エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の原因になります。

肺塞栓症や深部静脈血栓症の予防

肺塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群を予防するには、まず血栓を作らないようにすることが大事になります。

よって、肺塞栓症の予防=深部静脈血栓症の予防になります。

こういったことを考えても、両方の疾患名を統合して、静脈血栓塞栓症と言うのが最近の流れになっているのも納得ですね。

ということで、予防方法です。

・長時間同じ姿勢を取らないようにする
・喉が乾いていなくても水分をこまめに補給する
・下半身のストレッチをする
・対策用の弾性ストッキングを着用する

主にこういったことが予防になります。最近では、災害時の車中泊で、この静脈血栓塞栓症を発症する方が増えているそうです。

また、趣味でも車中泊しながら旅行する方などが居ると思いますが、その場合は、できるだけ体を伸ばせるようにして寝ると良いとのことです。

座ったままだとどうしても足の付根や膝関節が曲がったまになりますので、その部分で静脈が圧迫されて血流が悪くなるために発症しやすくなるとのことです。

また、静脈血栓塞栓症だけではなく、血管や心臓などの循環器系の病気は寒くなると激増します。私が入院した病院でも、循環器系の集中治療室にはひっきりなしに患者さんが入ってきて、いつも満床状態でした。

これは、寒くなると水分を暑いときに比べて取らないようになるので、その分血がどろどろになりやすいためです。

また、寝るときなど布団の中は冬でも変わらず暖かいので、寝ている間に水分が失われて、朝起きたときに発症しやすくなるそうなので、必ず寝るときに水分を摂って寝るようにしたほうが良いとのことでした。

エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の症状

エコノミークラス症候群、静脈血栓塞栓症の症状ですが、足の中心部にある深部静脈に血栓ができた場合は、無症状であることも多いです。

血栓が大きくて、血流がかなり阻害される場合には、足のむくみや痛みがふくらはぎや太ももに現れます。

この状態になると、深部静脈血栓症の疑いが持たれますので、足を造影CTやエコー検査などで血管の状態を診断を確定します。

深部静脈血栓症と併せて、肺塞栓症を発症した場合は、肺動脈の血流が阻害されますので、胸痛、呼吸困難、息切れ、動悸、不整脈などの急性的な症状が現れます。

もっとも重い症状になると、肺動脈の血流がかなりの割合で阻害され、その結果心臓の負担が大きくなり、心停止となり、突然死することも少なくないです。

入院患者さんが、合併症としてこの静脈血栓塞栓症を発症した場合は、病院内であっても処置が間に合わずに死亡することも少なくないので、予防を念入りにすることが重要になります。

比較的欧米人に多い病気とされていましたが、日本でも年々検査方法などの診断が定着してきており、診断されるケースが増えているとのことです。

私が、呼吸困難になって、病院に駆け込んだときも、心不全を疑うと同時に、静脈血栓塞栓症もに疑われて、心電図、エコー検査、造影CT検査を経て診断を確定されていました。

静脈血栓塞栓症の治療

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もし、エコノミークラス症候群、静脈血栓塞栓症と診断された場合は、早急に治療が必要になります。肺塞栓症を併発している場合は特に救急的に処置が必要になり、治療は一刻を争うものとなります。

治療としては、血栓を溶かす治療、血栓をこれ以上作らないようにする治療、血栓が肺に飛ばないようにする処置などがあります。

血栓溶解療法

これは、血栓の位置が確定できた場合に、その血栓を血栓溶解薬などで溶かす治療になります。血栓溶解薬を静脈に点滴で入れる方法や、カテーテル術で、血栓の位置近傍で血栓溶解薬を投入する方法などがあります。

抗凝固療法

血栓を直接溶かすというよりは、血栓をできにくくする薬を投薬して、新しい血栓をできにくくする治療になります。

この治療をすることで、できた血栓がまた血中に溶け出すことも期待ができるので、カテーテル術よりもリスクも少なくすることが出来る標準的な治療法になります。

下大静脈フィルター留置術

お腹にある大静脈(下大静脈)に特殊な金属のフィルターを留置して、下半身の血栓をこれ以上肺に飛ばさないようにする治療法にになります。

下肢やお腹に血栓がある場合は、その血栓がいつまた剥がれ落ちて肺に飛んでいくかわかりませんのでそれを防ぐために特殊な金属製のフィルターを下大静脈内に留置します。

足の付根や、首の頸静脈からカテーテルにてフィルターを設置する方法が取られます。

下肢やお腹に血栓がある場合は、症状を悪化させないために真っ先に取られる処置であることが多く、私も2回受けました。

その上で、血栓溶解療法や抗凝固療法を取ることが標準的な治療法になります。

フィルターの種類によって、一時的な留置(1週間ほど)しかできないものと、半永久的に留置が出来るものがあります。

半永久的に留置が出来るフィルターであっても、必要がなくなれば抜去したほうが良いとされていますが、留置してからの時間が長くなると、フィルターが血管内壁と癒着してしまい、抜去が困難になることがあります。

外科的血栓除去療法

肺塞栓症の症状が重く、急いで血栓を取り除く必要がある場合は、リスクも大きくなりますが、外科手術でもって、血栓除去する場合もあります。

人工心肺装置が必要な場合もあるので、比較的大きな地域の中核医療を担う病院などでないと対応が難しいので、場合によっては、転院する必要があると思われます。

カテーテル血栓吸引術と破砕術

下大静脈フィルターを留置する場合と同じように、カテーテルを血管内に通して、血栓を直接吸い取ったり、細かく砕いたりする療法になります。

実は私も、吸引術を受けたのですが、血栓が大きくて吸い取りきれなかったために、そのまま血栓溶解療法に移行しました。

もともと血栓溶解療法を受ける予定でしたが、吸引術も一緒に行うことが出来るので同事することが多いようです。

吸引術も破砕術も下大静脈フィルターを留置してからでないとリスクもが大きくなるので、注意が必要です。

まとめ

エコノミークラス症候群、あらため、静脈血栓塞栓症は、足やお腹の静脈に血栓ができただけでは、症状がない場合も多いのが特長です。

できた血栓が小さいと無症状のまま改善するということも多いようです。逆に重い症状が急に現れることも多く、その場合は緊急に処置が必要になります。

治療法も、下大静脈フィルターが使われるようになってから30年ほどと歴史も浅いのでまだまだわかっていないことも多いのですが、最近では抗凝固療薬もかなり種類が増えてきて、対応する幅も増えてきました。

カテーテル術も発展しており、急性期をすぎれば、予後も良い病気になります。

とはいえ、やはり、予防が大事なのは言うまでもありません。

座り仕事が多い方や、高齢者、過去に静脈血栓塞栓症になった方や、血栓ができやすい因子を持つ方(血液検査でわかります)などは注意が必要です。

また、血栓ができてから時間が経つと、血栓が溶けにくくなるために、症状がでたらすぐに病院で診察を受けることが大事になります。

私の場合も、大きな血栓ができていたので、時間が経ったあとではもっと治療が大変になったかもしれません。

 

 

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